NOCO DESIGN

インテリアデザイナーが考える、建築インテリアと福祉住環境。        ** Interior & Barrier-free           NOCO DESIGN **

カテゴリ: バリアフリーデザイン

 

こんにちは。interior & barrier-free NOCO DESIGN の Moriです。

  玄関は外出のスタートとゴールです。

本日は、玄関先のバリアフリーについてお話させていただきます。

 

皆さまは玄関で靴を履きますし、脱ぎますよね。当たり前のことなので、あまり意識はしていないのですが、少し掘り下げてみましょう。

ディライト玄関2




 この玄関、段差があります。ここの段差は20cm。ごく一般的な玄関框の段差です。

 私達が高齢者・障がい者の住宅を設計する時は、ここに段差を設けないやり方をすることがあります。つまり、玄関タイルと廊下の床の高さをほとんど無くして、車椅子でもラクラク通過出来るようにするのです。

 が、車椅子を使う程ではないけれどサポートの必要な方や、健常者にとって、どのような玄関が望ましいのでしょうか?


 そこで役に立つのは画像にあるような「ベンチ」です。


体調が良い時は、土間に置いてある靴に片足を入れ、もう片方の足も靴に入れて、玄関土間に下りることが出来ます。わたしたちは無意識に靴を履くことと、玄関土間に下りることを同時に行っているのです。

しかし体調の良くない時、それは大変複雑な動作となります。
 考えて見て下さい。一瞬片足立ちになり、高低差を乗り越えて、かつ、靴の脱ぎ履きもしなければならないのです!


 貧血や風邪、怪我、年齢による体力・筋力の衰えなどでふらつきのある時、いつもと同じように外出しようとすると、転倒する可能性がありますよね。ふらついた時、とっさに壁に手をつくというのは、無意識の防御動作のひとつです。

このベンチに座る事によって、

・段差の昇降。

・靴の脱ぎ履き。

を別々に行うことが可能となります。

 片足でいる姿勢がなくなり、転倒の危険を軽減しているのです。



スケッチ




デザインスケッチには「ベンチ引出し収納」とあります。フローリングの床からも玄関土間からも座ることが出来る幅・奥行き・高さを考慮し、引出しにはスリッパや折りたたみ傘など玄関小物を収納できるように考えて設計されています。収納扉の材質、形も同時に検討し、見た目(デザイン)にも配慮した玄関です。

 

このような「ベンチ」を計画される場合は、住む人の体格や身体状況に合わせてベンチの座面高さを設計する事をおすすめします。
 通常、ダイニングチェアの座高はだいたい40cm前後です。
 このベンチは玄関土間から50cm、フローリング床から30cmの高さです。
 一般的に低い方が立ち上がりしずらく、高い方が立ち上がり易いので、足腰の弱い方はもう少しだけ高めに設定したり、フローリング側の掴まりやすい位置に手摺りを用意すると完璧です。

機能性と実用性とデザイン性を兼ね備えた玄関は、外出をより楽しくしてくれそうです。疲れて帰ってきても安全に靴を脱げますし。(せっかく楽しかった一日も靴を脱いでいる最中に転んでしまっては台無しになりかねませんから)


 色々申し上げましたが、女性にとってはブーツを履く時便利ですよね^^

 

interior & barrier-free NOCO DESIGN の佐藤です。

トイレ内に手摺が欲しいとの事で、商品を選定しました。
今回選んだのはこちら、棚手摺です。

棚手摺

                             メーカー:シロクマ

手摺というと、ポール状のものが一般的ですが、トイレではよく棚手摺を採用します。よく見るものはこちら。

ペーパーホルダー一体型手摺

                            メーカー:TOTO


トイレットペーパーホルダーと一体化しています。ここに縦手摺を組み合わせたプランはよく採用されるかと思います。

棚手摺と縦手摺

                        メーカー:TOTO

縦手摺と棚手摺、もしくは横手摺。
いろんな商品がありますが、一体どれが適切なのでしょうか?

それは、利用する方の身体状況によります。
基本となる考え方は以下。
座った状態で手を伸ばして、縦手摺のなるべく高い位置を握り、引っ張って立つ。これが一番力が入り易いです。したがって、立ち座りには縦手摺が基本です。

しかし、加齢や何らかの障害(リウマチなど)があり、握力が少ない人がいらっしゃいます。そのような縦手摺をしっかり握れない方は横手摺や棚手摺を押す方が立ち上がりし易いでしょう。

ただし、横手摺や棚手摺の場合はある程度脚の筋力に頼らないと立ち上がりが完結しません。横手摺や棚手摺を押して立つ方法は、あくまでも立ち上がり動作始めのきっかけなのです。

握力が少ないけれど、縦手摺を使用したい場合はこのような商品もあります。

どこでもグリップ
                       メーカー:シロクマ「どこでもグリップ」

色々な商品の選択肢の中から、どれを選択すればよいのかは、その方の身体状況と介助者との動作方法により違ってきます。

「一般的なプランニング」というのはありますが、それにこだわらず、ご自分達がどうしたら使い易いのか考えてプランニングをしてみて欲しいと思います。

さて、今回採用した棚手摺ですが、この利用者様本人は、頑なに手摺工事を拒否されてましたので、「手摺じゃないよ、棚だよ。ちょっとしたものを置きたくて付けたのよ」というフリをして取り付けたものでした。幸い、棚手摺を押す事で立ち上がりが楽に出来るくらいの身体状況でしたので。

F1000002


結果的にはご本人様にも、「楽になった」と好評です。


手摺を必要とする方の中には、ご家族の方が心配しているのをよそに、手摺工事を拒否する方がいらっしゃいます。理由は色々。。。見栄えが悪くなるとか、邪魔だとか、ご本人のプライドとか。
ご本人様のプライドを傷つけないように、バリアフリー工事をする事はとても重要です。とても難しい事もありますが、そこがバリアフリー工事の醍醐味なのです。本当に奥深いですが、その話しはまた改めて。


interior & barrier-free NOCO DESIGN の佐藤です。

「浴槽にまたぐ際の手摺が欲しい。」とのご要望があり、浴室の手摺工事を行いました。
DSC_0264

これは取付前の画像。
築35年のお宅ですので、ユニットバスではなく在来工法のお風呂です。

ご高齢になったご主人が浴槽へまたぐ際に、水栓金物(蛇口)を支えにしているそうです。しっかり握れませんし、混合水栓(お湯とお水の両方がブレンドされて出るもの)ですのでやけどの心配があり、奥様が手摺取付の依頼をされました。

ポイントは浴槽の床の高さと、洗い場の床の高さの高低差。
これが大きければ大きいほど、浴槽へのまたぎ越しの際にバランスを崩し易く、転倒の危険が高まります。

このお宅も、浴槽と洗い場の床の高低差が20㎝くらいあり、またぐ時に身体の上半身を大きくかがませる動作となります。
この場合つかまりやすいのは横手摺。ご本人様の動作の確認もさせていただき、介護保険の手続きも経て、取付工事を行いました。

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この場所への手摺の取付はいわゆる定番の場所です。

(最近のユニットバスでは、ほとんどのメーカーさんが安全を考慮して、洗い場床と浴槽床の高低差10~12cm程度の設計になっています。高低差が少ない場合は上体がある程度起き上がったまま動作できるので、縦手摺の方がつかまりやすいかもしれません。が、使用するご本人様の身体状態にもよります。ご本人の意向を汲んでプランするのが一番です。)


ところが、すぐに追加工事の依頼がありました。
反対側にも手摺が欲しいと。

DSC_0269


ご本人様の身体状況は「加齢による筋力低下」と「軽い健忘(認知力の低下)」
手摺工事計画の当初は一人で入浴しており、浴室に入りそのまま正面を向かって座り、身体を洗い、浴槽をまたぐ。という一連の動作でした。

が、工事完了の頃には状況が変わっていました。
身体状況としては、一人での入浴は十分可能なはず。ですが極度にお風呂嫌いのご本人が、奥様が一緒でないと入浴を拒否するようになっていたのです。

それにより、浴室に入り身体をひるがえして反対向きに立って、身体を洗ってもらい、その方向のまま浴槽をまたぐ。という動作に変わっていました。

そのために取り付けたのはこの手摺。

F1000004

下地の関係で、若干高い位置になりました。
いわるゆ定番の位置ではありません。
本来もっと低い位置に横手摺と、脱衣室への出入り口の横(この画像では横手摺の右端のあたり)に縦手摺をつける事が多いです。

が、このお宅の場合定番の位置では使いにくかったはずです。
この高い位置につけたため、洗い場で身体を洗ってもらう時に胸より少し下の位置でつかまることが出来ます
またそのまま横移動して手摺につかまったまま浴槽をまたぐ事が出来、なおかつ浴室と脱衣室との移動にも、足元の段差を超える際の支えとなりました。
一石三鳥です。

これは本当に使いやすい。安心安全になったと喜んでいただきました。
反対に当初取り付けた手摺は、残念ながらほとんど使っていないとの事です。


このように、手摺の取付位置には「定番の位置」がありますが、身体状況・介護状況・取付下地の状況などにより「定番の位置」がベストな場所とは限りません。
大事なのは、日々の動作を観察すること。手摺を必要とするご本人がどこを支えにして動作しているのか把握して、それを施工業者にきちんと伝える事です。
バリアフリー改修を学んだ施工者は施主から何も言われなければ「定番の場所」に取付しがちです。バリアフリーのお得意な施工業者だからといって、施工者に任せきりにするのではなく、プランニングにご本人の日常動作を反映させるように努力しましょう。

interior & barrier-free NOCO DESIGN の佐藤です。

どのようにNOCO DESIGNが、高齢者・障がい者の方々の住宅に貢献出来るのか、ご紹介します。


① 高齢者の住宅環境の見直し (介護保険を使ったバリアフリー改修)

② 障がい者のための住宅設計

③ 高齢者と同居する場合の住宅設計


以上の業務を行う場合に、教科書に書いてあるバリアフリー設計をそのまま取り入れるのではなく、そこに住まうご本人様のご意見ご意向を中心として、ご家族様(介助者)、時には介護スタッフ(ヘルパーさん)の意見を聞きつつ、より良い住まい設計を行います。

同じ病気であっても、病状・介護状況・生活スタイル・介護保険やその他の福祉資源の利用状況により、必要な改修項目は違います。
そのような事を踏まえたうえで、ケアマネジャーとの連携も行います。

もちろん、将来の為に備えておきたい場合の設計も行っています。

またNOCO DESIGNは、「住環境さえ改善すれば良い。」とは考えていません。なぜなら、家には「住む」以外にも大切な役割があると考えているからです。
例えば、段差解消は出来たが、以前より見栄えが悪くなってちょっと悲しい・・・といった事が無いように、十分検討の上プランニング致します。

更には、英国のインテリアデザインスクールロンドンで学んだ経験から、よりスタイリッシュなインテリアデザインの提供も可能です。ダイナミックにインテリアを変革させる手法から、住み慣れた思い出いっぱいの「家」に少し手を加えてグレードアップさせる手法まで、ご要望に合わせてご提案させていただきます。

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